サクラチル

今桜はどんどん散っている。「桜散る」といえば、思い出すことがある。

数十年前のことになるが、高校三年の2月、国立大学を二つ、公立大学を一つ受験した。当時は、合否を通知する電報を送ってくれるというシステムがあった。大学の門を入った所に受付があり、住所を登録するのだ。

公立は国語と英語と社会の3科目、国立はそれに数学、理科も含めた5科目を受けた。とにかく理系がだめで、特に数学はまったくひどいものだった。だから、結果は最初からわかっていた。ただ、親の命令でどうしても国立を受ける必要があったのだ。

公立は何とか合格の自信はあった。だが、国立の数学の試験はひどい結果だった。一つ目の大学では一問しか解けなかった。二つ目の大学では白紙だった。

そして3月に入って、結果通知が来た。公立は郵便で合格の通知が来た。そして国立からは、「サクラチル」という5文字の電報。桜がさくことはなかった。いや、「サクラチル」ということは、一度は咲いたから散るのだと妙に解釈して納得した。
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