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海上の日の出(原作:巴金 海上的日出)

 日の出を見るために、私はよく早起きをする。その日は、まだ夜が明けていなかった。あたりはとても静かだった。船の上のエンジンの音が聞こえるだけだった。

 空は一面水色で、とても薄い色をしていた。しかし、瞬く間に一筋の朝焼けが空に現れ、ゆっくりとその範囲を広げていき、光を強めていった。私は、もうすぐ太陽が見えるにちがいないと思い、瞬きもせず、その辺りを眺めていた。

 しばらくして、思ったとおり、私の見ている辺りに、太陽の小さな一辺が顔を出した。赤いことは実に赤いのだが、まだ明るくない。太陽はまるで重い荷物を背負っているように、一歩一歩ゆっくりと上ろうとしている。最後には、ようやく雲と霞を突き破り、完全に海面に飛び出した。色は赤くてとてもかわいい。一瞬の間に、この深紅の円いものが、ふと目を奪う輝きを放ち出し、痛いほどに人の目を射て、その周りの雲も急に光彩を放つのだ。

 時に、太陽は重なった雲の中を移動し、雲の中から光線が差し下ろして来て、水面の上に届く。この時、どこが海でどこが空なのか見分けることは、容易ではなかった。なぜなら、私に見えるのはきらきらと輝く光しか見えなかったからだ。

 ある時、空に黒い雲があり、それが分厚いため、太陽が昇ってきても、人には見えない。しかし、太陽は黒い雲の中から光芒を放ち、黒い雲の厚い層を透して暗雲に代わって一筋の黄金色の光をちりばめる。それから後は太陽がゆっくりとその幾重にも重なった囲みを突き抜けて、空に姿を現し、黒い雲でさえも紫色或いは紅色に染める。この時、光っているのは、太陽ばかりでなく、雲と海水であり、同時に私までもが光り輝くのだ。

 これこそ実に偉大ですばらしい眺めではないか。
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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

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