僕のお婆ちゃん(原作:毛丹青「我的祖母」)

 僕のお婆ちゃん  原文:毛丹青「我的祖母」

 僕のお婆ちゃんは仏教徒だが、これまで念仏を唱えるのを一度も聞いたことがない。

 ある日、お婆ちゃんは炒め物を教えてくれた。タマネギを取り出し、切らせた。僕は一気にタマネギを切り、顔中涙でびっしょりになった。お婆ちゃんは笑って、「まあまあかわいそうなこと!いい方法を教えてあげるわ。こうやって切れば問題ないわ。」と言った。
 
 お婆ちゃんはそう言いながら、切ったタマネギを僕の額に貼り付け、「動かないで!何をする時もまず慣れることよ。」と言った。そこで、しばらく我慢していると、目が熱くなくなり、果たして涙も流れなくなった。お婆ちゃんはすごい。ひょっとしたら魔法に通じているんじゃないかと思った。
 
 それから、またある年のこと、僕はお婆ちゃんにとても驚かされた。その日、お婆ちゃんは服をいっぱい洗っていて、僕に服をベランダに持っていくように言った。僕が一枚一枚ハンガーに掛けていたら、こんな時に限ってお天道様にはあいにく恵まれることなく、空が曇ってきて、パラパラと雨が降ってきた。なんとか服をハンガーに掛け終わったが、こんな時、雨が降るなって、本当についていないと思った。この時、お婆ちゃんが顔をあげて、空を眺めてから小さい声で言った。「毛ちゃん、心配ないよ。この雨はこっちには来ないよ。もうすぐ風に吹かれて向こう岸にいっちゃうから。」
 
 確かに目の前にはひとすじの川があって、何層にも重なる黒い雲に覆われていた。お婆ちゃんは小声で何かの念仏を唱えているようで、顔つきは光を放っていた。「雨よ雨!おまえはさっさと風に吹かれて川を越すのだ」と唱えていたのではなかったか?もちろん、これは僕の憶測だったが、お婆ちゃんがぶつぶつと唱えている間に、あえて中断させる勇気がなかったのだ。まもなく念仏が終わった。そしてこの瞬間、雨が止んだのだ。
 
 お婆ちゃんは空を見て、僕を見て、笑った。ことのほかまぶしい笑顔だった。  《毛丹青「我的祖母」》
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

xufang

Author:xufang
すべてが終わった時、すべてが始まる。

掌編小説
掌編小説
リンク
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
3958位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
338位
アクセスランキングを見る>>
FC2掲示板
検索フォーム
枕中記アクセス
なかなか伸びないカウンター
カテゴリ