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中国の漫才「名医が災難をもたらす」

中国の漫才「名医が災難をもたらす」

          原文:「妙手成患」 甲:侯宝林 乙:郭启儒

甲:小さな手術なら、僕にもできるよ。
乙:大きな手術はどうなの?
甲:僕はだめだね。兄貴ならできるけど。
乙:君のお兄さんは医者なのかい?
甲:ああ、そうだよ。
乙:で、どこの病院に勤めてるの?
甲:家にいるよ。
乙:個人の開業医?
甲:ちがうよ。停職中なんだ。
乙:停職?どうして?
甲:彼は記憶力が悪くてね。
乙:停職と記憶力とは関係があるの?
甲:うん、密接な関係があるんだ。
乙:なんで?
甲:医療に携わるものはだね…、
乙:はい。
甲:大胆且つ細心の注意が必要だ。
乙:君のお兄さんは?
甲:彼はうっかりしたあわてものなんだ。
乙:じゃあ大変なことをやらかしたんだね!
甲:うん!この間、盲腸炎の手術をしたんだ。
乙:それで。
甲:つまり、虫垂炎。
乙:そうだね。
甲:盲腸炎は手術の中で最も簡単なものだ。
乙:確かに。
甲:盲腸炎なんて何でもない。
乙:そうかな?
甲:君は盲腸炎になったことある?
乙:えっ、ないよ。
甲:かかったことがなくても怖がることはないよ。
乙:かかったことがないんだ。
甲:じゃ、どんな手術か知らないね。
乙:知らないよ。
甲:その日は兄が宿直でね、患者が手術室に運ばれてきた。
乙:おお!
甲:カルテを一目見てね。
乙:うん!
甲:手術をしなければならない。
乙:ああ!
甲:まず麻酔をしてあげる。
乙:うん!
甲:麻酔が効いたら、腹部を開く。
乙:うん。
甲:ピンセットで盲腸を挟んで、出血部分をガーゼでふき取る。
乙:それで…。
甲:盲腸を取り出す。
乙:うん!
甲:汚れた部分を取り除く。
乙:うん!
甲:盲腸を元に戻す。
乙:うん!
甲:すぐに縫い合わせる。
乙:で…!
甲:手術は20分で終り。
乙:早いな!
甲:いいかい?
乙:いいね!
甲:患者が麻酔から醒めたら、
乙:うん!
甲:こう言うんだ。「手術は無事終わりました。安静にしてください。」
乙:うん!
甲:「明日、もし高熱が出なくて、化膿しなければ、それで大丈夫です。」
乙:うん!
甲:「一週間で傷口がふさがります。それから抜糸して、十日で退院できます。」 そう言ってから、患者を病室に運んで、「明日また様子を見に来ます。」と言ったんだ。
乙:すばらしいね。
甲:いいと思うかい?
乙:ああ。
甲:兄は明日、見に来ると言った。
乙:うん!
甲:ところが、それから30分も経たないうちに、病室にやってきたんだ。
乙:患者に責任感を持ってるんだね。
甲:違うよ。彼は「患者に今すぐ抜糸したい」と言ったんだ。
乙:えっ、縫合したばかりなのに抜糸するの?
甲:抜糸しないわけにはいかない。
乙:なんで?
甲:彼はガーゼを一巻き腹の中に置き忘れたんだ。
乙:そりゃ大変だ!
甲:患者は考えたよ。抜糸しなければならないかなって。でも、体の中でガーゼがどっかにくっついたらまずいなって。そこでまた麻酔がかけられて、糸をほじくり出してお腹を開いたんだ。
乙:うん。
甲:開いて見ると、ガーゼが腸の下に置いたままだった。
乙:うん。
甲:ハサミでガーゼを切って取り出し、また急いで縫い合わせた。それから、兄は、「終わりました。あなた、つらい思いをさせて、本当に申し訳ありません。よろしい、ではまた明日見に来ます。」と言ったんだ。
乙:うん。
甲:患者をまた病室に運んでいった。
乙:よかったね。
甲:また十分も立たないうちに兄は病室に行った。
乙:薬を持っていったの?
甲:ううん。また抜糸しに来たんだ。
乙:ガーゼは取り出したんじゃなかった。
甲:そうだよ。今度はハサミをお腹に置き忘れたんだ。
乙:本当に記憶力が悪いんだね。
甲:患者は考えたよ。また抜糸しなければならないって。
乙:そうだね。
甲:なあ、君、このまま立ち上がったら、ハサミが突き刺さって、内臓がぐちゃぐちゃになっちゃうよね。
乙:じゃ、急いで麻酔をかけたんだね。
甲:患者は怒って言ったよ。
乙:何て?
甲:「麻酔はしなくていい。このままやってくれ!」って。
乙:ええ?
甲:それでも、やらなければならない。急いで糸を穿り出して解き、ハサミを探し出して、縫合しようとしたら、患者が言ったよ。「縫わなくていいよ。」
乙:えっ、どうして?
甲:患者が言うには、「ファスナーをつければいい。腹の中に何を忘れても、すぐ取り出せるから。」
乙:そんなバカな!
                                   NHK「まいにち中国語」2009年1月号より
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中国の漫才:
中国にも漫才がある。二人が飛んだり跳ねたりするものや、まるで吉本喜劇のようなものもある。
いずれにしても二人で掛け合いながら、ボケと突っ込みをやるのを中国語で「相声xiang4 sheng」という。軽妙な掛け合いが見事だ。日本の漫才と、中国の相声を見ていると、どこか似ているところがある。
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